POSR資料

POSR資料について

POSR(Public Opinion and Sociological Research Division:世論及び社会調査部)は、終戦直後の政府の世論調査や民間の世論調査を指導したCIE(Civil Information and Educational Section:民間情報教育局)のなかに1948年に設立された組織である。
ここには、アメリカの社会学者や日本の学者が所属しており、日本の世論調査や社会調査を監督指導していたほか、独自の研究や執筆も行っていた。
その内容の多くは、他の部局から依頼された、日本の社会や文化に関する調査委託研究であったが、独自の社会調査も実施していた。(佐藤2022)

POSRは1951年に解散となったが、当時部長であったベネットは当時の資料を持ち帰り研究に用いていたが、1991年に日本世論調査協会に寄贈された。
寄贈された当初から本資料を用いた検証や研究がいくつも取り組まれた。この資料の一覧については、水野(1991)に記載されており、岡本(1993)(1994))や吉田(1994)の報告が残っている。
また近年も、2022年の世論調査協会研究発表において、POSR資料をもとに「軍政下の奄美大島での世論調査と調査史料」について発表を行っている。

POSRは非常に膨大なものとなっており、その全てについて調べつくすことは容易ではない。
本資料の存在を幅広く世に知らしめ、出来るだけ多くの研究者の関心の対象となることで、一段の解読を期待したいところである。
このような背景から、世論調査協会は本資料について、関心がある研究者に対してできるだけ幅広く提供できる環境を整えるために、2022年に本資料について可能な限りの電子化を行うこととした。

 大判の地図と、劣化が著しくスキャンすることが困難だったインデックスカードについては対象外としたが、それ以外の現存する全ての資料をスキャンしたうえで、その資料一覧を作成した。
水野(1991)によれば、本資料は151のold seriesと、35のnew series で構成されているとされるが、全ての残存する資料をスキャンして確認した結果、一部は欠落していることが判明した。また、どの資料が、水野が作成した資料一覧のどれにあたるのか、必ずしも対応できなかったものもある。

 また、今回作成した資料一覧はEXCELファイルで作成しており、この一覧表のリンクから、該当する資料の画像を簡単に開けるように作成した。
今回作成した資料一覧および画像ファイルについては、世論調査協会の会員に限らず、希望する人に幅広く公開したいと考えている。

 なお、資料の現物については老朽化が著しく、維持をし続けることは困難な状況にあったため、2024年に国会図書館に寄贈した。国会図書館では本資料を整理したうえで、閲覧が可能となるよう準備をすすめていると伺っている。

参考文献

水野坦(1991)「日本世論調査協会へ寄贈された「POSR資料」について」世論調査協会報68巻
岡本正明(1993)「GHQは日本の世論をどう読んでいたか : POSR資料より」 世論調査協会報72巻
岡本正明(1994)「GHQ世論調査部の歴史と役割-POSR資料から-」新情報 Vol.62,(社)新情報センター
吉田潤(1994)「占領軍と日本の世論調査—ベネットのPOSR資料から—」 NHK放送文化研究所 年報 第39集
佐藤寧(2022)「世論調査のはじまり—政府世論調査とその周辺—」月刊誌『統計』2022年11月号

資料の入手方法

POSR資料(PDFファイル)は、希望者に対して無償で提供をしております。
世論調査協会古書スキャンリストをご覧いただきお問い合わせフォームのお問い合わせ内容項目内のPOSR資料にチェックをした上で任意のメッセージ入力欄に入手したい資料番号(EXCELファイルの連番)をお知らせいただきます。

ファイルサイズによっては電子メール添付でお送りしますが、難しい場合はUSBメモリを送付をお願いさせていただく場合もあります。
ファイル一式全ての提供も可能です。
ファイルのサイズは、全てで11GB程度となりますので、格納可能なUSBメモリをご用意ください。

世論調査協会古書スキャンリストはこちらになります。(※EXCELファイルダウンロードされます。)

ご不明な点がございましたらお問い合わせフォームにその旨お伝えいただければ幸いです。

POSR資料見本

下記リンクをクリックするとファイルが表示されますのでダウンロードをおこなってください。





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